opendoorの日記

Rubyとスタートアップ、そして感情の記録。

「明日のプランニング」を読んだ。

ブログ始めました!
初ポストは、さとなおさん著の「明日のプランニング」の読後まとめです。

本書を手に取った理由

ユーザーを動かす強い企画は、どのような過程で生まれるのかを知りたかった為。
その背景には「企画過程力が圧倒的に足りない」という課題感がある。

読後感想

プランナー必読の書である。
個々の項目は、ザッポス伝説などの企業ドキュメンタリー本で何度も伝えられていることであり、
特別なことは言っていない。

しかし、それを"今の時代のプランニング"という文脈で整理し、背景・手法が順序立てて描かれているため、"良い本だったな"というふわりとした感想で終わるのではなく、自分の今までの仕事と照らし合わせて反省材料を洗い出せるし、今後の仕事にも即活かせる実践的な内容になっている。

何度も実践しながらプランニングの過程を体に染み込ませることで、世の中に情報のゴミを生み出さずに済みそうである。(アイデアのつくり方には言及していないので別で学ぶ必要あり)

本書のサマリー

プランニングのゴールは?

人々にサービス・商品を認知してもらい、態度変容してもらうこと(サービス・商品の情報を知った相手が笑顔になること)

プランニングの始まり

・情報を伝えたい相手を設定することから、プランニングは始まる。
・そのために、まずは伝えたい(笑顔にしたい)相手を知ること。
・具体的には、その相手がどういう毎日を送っていて、どんな趣味趣向を持ち、どういう情報環境にいて、何を喜ぶのか、何を嫌うのか、どんな日常行動をしているのか...etc

"今の時代(2015-2020年)"に、プランニングする上で注意すること

・いいものを作れば届くなんて幻想だ。
・見てもらう(認知される)だけではダメだ。
インパクト重視で、「買って!」「安いよ!」「良いよ!」では届かないし、響かない。

今と昔で、なにが変わったのか?

SNSの登場

人々の超関心事である、仲間からの情報(仲間ごと)が急増し、我々の耳目を占拠している ↔︎ 環境問題、中東問題、選挙などの世界的問題より大事!

超成熟市場

豊かさの定義が変わり、「おしゃれ」「かっこいい」の象徴がモノからコトへ移っている。

メディア急増/細分化

Web2.0でクリエイター・表現者が増えて情報が増大→情報のある場所が細分化したことで、どこで届けたい相手に情報を届けられるか分からない。

エンタメ過剰

・情報の急増に伴い、人々の関心を惹く優良コンテンツが世の中に溢れている。
・たとえ認知されても、すぐに他の優良コンテンツが届き忘れ去られてしまう。

では、どうすれば認知→態度変容(笑顔)を起こせるか?

間接アプローチで伝える(認知)

・情報を伝えたい相手の文脈を知っている"友人・知人"を介すこと。
・友人、知人は最強メディアである。
・"友人・知人への共感"ではなく、あの友人・知人がすすめる"情報への共感"によって相手の耳目を集める(認知させる)ことができる。

熱を帯びた情報をファンを介して伝える(態度変容)

・友人・知人を介しただけでは態度変容を起こせるか定かではない。(単におもしろーいで終わる可能性あり)
・態度変容のためには、まず熱狂的なファン(友人・知人)に伝える。核は少数でOK。
・そして濃いコミュニケーションをすることで、ファンからオーガニックな言葉(商品・サービスに関する自然でポジティブな言葉)を引き出し、強い共感を伴って情報が広がるようにする。結果、態度変容(行動)を促すことができる。

※メモ※
・情報チェックポイント①→「その情報はファンの間を熱狂をもって駆け巡るか」
・情報チェックポイント②→「一般ウケとマニアウケの両立ができているか」
・ファンからオーガニック(自然)な言葉を引き出し、言いふらしてもらう仕組みをつくることが、プランナーに求められている。

間接アプローチの前提である「ファンへのアプローチ」をするには?

・マニアックなメディアが重要。
・マニアックであればあるほど、濃いファンが集まり、濃いコミュニケーションができ、オーガニックな言葉を引き出しやすくなる。
業界紙、地方紙、ラジオ、趣味サイトなどセグメント化されたメディア。
・でも、ファンの多くは身近にいる。(後述)

ファンはどんな情報に共感し、周囲とその想いを分かち合いたくなるのか?(ファン認知→周囲へのシェア)

・本当に好きなもの、愛しているブランド、新たに発見した魅力、事前期待を大幅に上回ったもの...etc

ファンはどこにいて、どのようにコミュニケーションすればよいか?(一部抜粋)

社員は最強のファン

・ミッション、ビジョン、コアバリューを社員と共有し、同じ目的に向かって進む。
・社内の共感は、社外に染み出す。

既存のファンを特別扱いする

多くの企業は、新しいお客さんを獲得しようとする一方で、昔からの忠実なお客さんを最優先するのではなく、無視している。

自社に対して時間とお金を費やしてくれている人に、「あなたは大切な方です」と知らせよう。

生活者との接点を見直す

「生活者との接点」は小さい。

そこでの体験は、企業への印象を根底から変え、彼らを大ファンにジャンプアップさせる可能性を秘めている。

もっとリアルなつながりを大切にする施策を増やし、ファンからのオーガニックな言葉を引き出していったほうがいいと思う。

 ファンを発掘する

・まずは、NPSでファンを発掘・特定し、特別扱いのアプローチを行う。

共感を得る情報をつくるコツ

あなたがあなたらしくあればあるほど、相手は踏み込んでくるのだ。あなたがあなたらしくあること。「個」を出すこと。自分だけの経験や思いを語ること。相手や一般論に自分を合わせないこと。それこそが「共感」を作るのだ。だからあなたは「個」をもっと前面に出すべきだ。(p289)

重要ポイントを再確認

①友人知人を介す
②ファンを大切にする
③オーガニックな言葉を言ってもらう
④伝えたい相手の笑顔を具体的にイメージする

僕たちは何のためにプランニングするのか。

少数でもいいから、ちゃんと笑顔になってもらう。

ファンだけを見て100%を出し切ろう。悩むのはもうやめて、伝えたい相手の笑顔を見に行こう。