opendoorの日記

Rubyとスタートアップ、そして感情の記録。

「ITビジネスの原理」

教育プラットフォームを設計する為のネタとして、プラットフォームの影響力を発揮させる仕組みや考え方を知るために読みました。基礎的な事柄がまとまっていて知識の整理に良いです。

中々面白いので、これに限らず関連本を読んでみよう。ただ、プラットフォームの考え方は、生活者の欲求や課題に応える圧倒的に良いサービスがあってこそ始めて成り立つものであるので、まずはどストライクのサービスを創ること!

まとめ

<ITビジネスの仕組み>

■場所による価値の違いを利用

・売ろうとする商品、その商品の価値が最も低い場所(仕入れ地)、商品の価値が最も高い場所(消費地)の3つをマッチングする。
・価値は季節、天候、物価などさまざまな要因によって刻々と変更するので、常に正しい組み合わせを選べるかどうか。

■点在する情報やヒトを一か所に集める

世界中に点在しているユーザーを一か所に集めて、そのユーザーを金を出しても欲しいと思いっている企業や人とマッチングする。

インテンションを先鋭化させる

2つの仕組みがきちんと回すこと。
(1)ユーザーのインテンションを先鋭化させて正しく把握する
(2)そしてそのインテンションに基づいて最適なものを提示する

GoogleよりFacebookの換金化が難しいのは、ユーザーのインテンションが取りにくいことに起因している。Facebookは友達の情報を求めてくるところなので、自分の欲しいものを明示的に表明することはない。
だから、表示した広告がユーザーのインテンションと合致する可能性が低い。

■純粋想起

・人は頭に思い浮かんだ場所に行く。だから純粋想起を取ったサイトに人は集まる。
・多くの人は、最初にブランドを構築した人を評価する傾向にある。
・純粋想起を取る為に重要な要素のひとつに、最初にブランドを確立することがある。

※TACとは?
ユーザーを獲得するために払っているコスト。
TACをゼロに近づけるというのは、いかにユーザーの方から勝手に集まってくるようにできるかということ。これがインターネットビジネスでは勝負の一つになる。

収穫逓増の法則

・強いところがますます強くなっていくのが、収穫逓増の法則
・オークションサイトを例とした場合、ある閾値を超えると出品者がユーザーを呼び、ユーザーが出品者を呼ぶというサイクルに入って、どんどん人と商品が集まり、さらに強くなっていく。
・最初に閾値を超えたところ、つまりティッピングポイントを超えたところが圧倒的に強くなる。

■サンクコスト(埋没費用)

・回収できない費用のこと。
・例えば、ゲームを進める為にこれまで使ってきた時間、取り返しのつかない時間のこと。
・今までその対象(恋人やゲーム)にかけてきた時間を考えると、踏ん切り(別れる・止める)がつかないことがある。

■細分化

インターネットは仕事を細切れにすることで価値を生み出す(主にコスト削減)だけではなく、その細切れを集めることによって新しい価値を生み出し、普段使われていない部分を有効活用することができる。(機会損失回避)

<コミュニケーションの仕組み>

■情報の進化

掲示板型フロー情報→CGM型ストック情報→重み付けされたストック情報→友人嗜好性でフィルタされたSNS情報

SNSの2つの役割

・ひとつは友人関係を強化するためのプラットフォームという側面
・もうひとつは情報取得ツールとしての側面
・人の嗜好性というのは情報のフィルタのひとつの軸なので、結果的に情報取得メディアとして強化される。

■発信コスト

・インターネットによって必要な経済的コスト、心理的コスト、物理的コストが軽減されて発信者と情報流通量が増えた。
・いいね!やRTなどで、「書く」という作業自体がどんどん省かれていっている。

Facebookの仕組み

・ハーバードのエリート学生と友達になりたい女子大生を巻き込むことで始まった。
さらに実名制を採用することとハーバード大学の名前で信用評価・バッジを備えながら会員を増やしていった。

API導入で単純なコミュニティから、人間関係のOSとでもいうべきポジションに変わっていった。それにより、様々なデベロッパーがFacebookベースのプログラムを作り、それがまたFacebookの魅力を高めてユーザーを呼び込んだ。(収穫逓増の法則

Twitterの仕組み

・RTで情報発信コストが下がり、情報流通量が急激に増えた。いいものをリツイートするだけであれば、発信コストがものすごく低い。
・それが情報の送り手の発信モチベーションをあげ、また情報流通量が増えることでTwitterの魅力が高まりユーザーが増えた。

<コミュニケーション消費の仕組み>

■消費されるコミュニケーション

・スタンプ、着メロ、待受画面も個性的なものにして、「ねえ、面白いでしょ」「かっこいいでしょ」などと友人とのコミュニケーションで使用する。Tシャツも同様の役割を担う。

・コミュニケション消費では、常に新しいものを使いたい(でなければ友人とコミュニケーションできない)という欲求に応える必要がある。ユーザーは常に人とは違う新しい刺激を求める、つまり前と違うことで人を喜ばせたいという原理がある。