opendoorの日記

Rubyとスタートアップ、そして感情の記録。

「ウェブ時代をゆく」

2007年に出版されてから、いまだ色褪せることなく、読むたびに気づきを得られる。

ウェブ時代は、それ以前の人々が得られなかったチャンスを得ることができる時代であるし、一方でちょっと油断すると、それ以前の人々が経験しなかったような惨めさを経験する時代でもある。

では、チャンスとはなんのことか。
僕は、端的に「自己実現の道が万人に拓かれた」ことだと思う。

それは、つまり「自己表現すること」を通じて「社会に影響力を及ぼし、社会と繋がること」であると捉えている。このあたりは、フロムの「自由からの逃走」に詳しく書いてあるが、古来から社会的動物の一つである僕ら人間にとっては「社会と繋がること」は命を守ることと同義であった。今の日本は餓死といったことはないが、それでもやはり「社会での孤立」は心を蝕むし、それが物理的な害や死(妬み・ストレス・殺人・自殺など)をもたらす。

そこで、人々は「社会と繋がる」ために、「社会から孤立しない」ために、徹底的に社会(周囲の人々)と同質化を図り、なんちゃって社会の一員と化し、心のバランスを保つ。でも、自己を誤魔化して辻褄合わせをするそんな"繋がり"は、当然破綻のときが訪れるのだ。

と、皆よくもまあ演技してきたなと思うし、それが社会のバランスを保ち食や安全の心配を不要にしてくれたので、一概に悪とは言えない。

でも、これからの時代は、そんな生き方をしなくて済む。少なくとも日本で、中流階級以上で育った人々にとってはだけれど……。クリエイトする力を身につけ、ウェブで自己表現し、社会に影響力を及ぼすことでお金を得ることができるのだ。

リバタリアニズムとっては、最高の時代だ!"シャカイ"に迎合せず、好きなことを追求するチャンスが拓かれている。当然、そのチャンスを手にするには、茨の道が待ち受けているし、自助の精神がない人間にとっては無関係の話だ。

冒険はもう、始まっています。
絶好のチャンスとするか、ピンチに陥るかは自分次第。

<本書一部抜粋>

ウェブでルールが変わる

・新しい職業、価値観が生まれ、新しい人たちがクリエイトし、世の中のルールをつくる。
・学びがオープンになり、知の高速道路が敷かれたことで、勤勉さと没頭性が勝負を決める。
・学歴も経歴も肩書きも人種も国籍も何もかも裸になり、個の自由競争、完全実力主義の社会となる。

ウェブで変わる僕らの生き方

・個のエンパワーにより、自由に人生のレールを敷ける。
・好きなことを仕事にできる。"好き"を貫ける。
・知的生産活動(クリエイト)を通じて、自己表現をして、社会と関係を築ける。何かに影響を及ぼすことができる。

ウェブ時代に必要なチカラ

・自発的で、能動的な新しい強さが必要。自助の精神、勤勉さ。
・人生をうずめることができるぐらい、没頭できる好きなもの。
・新時代のルールを理解し、その中心に位置するためのウェブリテラシー

※ウェブリテラシーとは?

①ネットがどのような仕組みで動いているのかの原理を徹底的に理解していること。
②ウェブで何かを表現したいと思ったら、すぐにできるぐらいのサイト構築能力があること。
③広告収入の流れなど、「バーチャル経済圏」のビジネスがどのような仕組みで動いているか深い理解があること。
④新しい技術についての解説を読んで独学できるぐらいの、ITやウェブに対する理解とプログラミング能力があること。